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名前に嘘偽りは無く、リムジンの内装はかなりロリータだった。
正直乗っててかなり恥ずかしい。
「まず私の名前をお教えしよう。感動しながら脳に刻み込むといい」
なっがい脚を組んでふんぞり返りながら長官男が自己紹介を始める。
「岸海青(キシ カイセイ)だ。湘南を彷彿とさせないか」
どちらかというと背水の陣て感じですが。
「こう見えて社長なんてものをやっている」
どう見てもそんな風にしか見えません。
「…僕は霧隠蜃気郎といいます」
「むむっ…なかなかカリスマ性のある名前だな」
初めて言われたよ。
しかも嬉しく無い。
「この車は何処に向かってるんですか」
「私の会社だ。なに、もう10分としない内に到着だ」
変だな。この道はもう一本しか無いし、この先にあるのは確か最近出来たばかりの遊園地…
「!!」
そこまで考えて僕は息を飲んだ。
最近出来た、最新型アトラクション満載の遊園地。
名前は確か…『ドクソンランド』!
「私が経営している会社はこの先の敷地内中央にある。」
「遊園地の中に会社!?」
「否、会社の中に遊園地があるのだ」
どっちでもいいよ!
やがてホワイトロリータは巨大な入場ゲートの前に停まった。
長官男もとい岸社長は無駄の無い動きで車から降りると、戸惑う僕を無理矢理車から降ろして芝居がかった動きで言った。
「ようこそ我が会社『唯我独尊』へ」
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