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自分の姿が映りこむ程ピカピカな黒耀石の様な床が、岸社長の高そうな靴の踵を受けてカツカツと鳴る。
何故か長い通路の壁にはパルスみたいな光が走り、天井からは小さな灯りしか降りて来ない為かなり薄暗い。
「この先が私の社長室…又の名を長官室」
スルー!
スルーしてこ!
「そこを右に曲がった所が、作戦会議室」
会議室。ただの会議室っ…と。
「だが先ずは社長室へ」
促されるまま突き当たりの部屋へ向かうと、そこには重甲―いやいや重厚な分厚い扉が聳えていた。
「入りたまえ」
僕が開けていいの?
なんか怪しい。
僕は咄嗟に鞄に突っ込んであったコンビニのポリ袋を(お菓子買った時に断り忘れた)二重にして右手に填めて、そっと取っ手に手をかけた。
『バシッ!!』
瞬間取っ手から真上に青白い一筋の閃光が走った。
「電流の仕掛けに気付いたか。やるじゃないか」
やるじゃないかじゃねェエー!!
僕が何の疑いも無くドア開けたらどうするつもりだったんだ!?
駄目だ、僕はここでは全てのものを疑ってかからないと。
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