組織

10/16
前へ
/81ページ
次へ
自分の姿が映りこむ程ピカピカな黒耀石の様な床が、岸社長の高そうな靴の踵を受けてカツカツと鳴る。 何故か長い通路の壁にはパルスみたいな光が走り、天井からは小さな灯りしか降りて来ない為かなり薄暗い。 「この先が私の社長室…又の名を長官室」 スルー! スルーしてこ! 「そこを右に曲がった所が、作戦会議室」 会議室。ただの会議室っ…と。 「だが先ずは社長室へ」 促されるまま突き当たりの部屋へ向かうと、そこには重甲―いやいや重厚な分厚い扉が聳えていた。 「入りたまえ」 僕が開けていいの? なんか怪しい。 僕は咄嗟に鞄に突っ込んであったコンビニのポリ袋を(お菓子買った時に断り忘れた)二重にして右手に填めて、そっと取っ手に手をかけた。 『バシッ!!』 瞬間取っ手から真上に青白い一筋の閃光が走った。 「電流の仕掛けに気付いたか。やるじゃないか」 やるじゃないかじゃねェエー!! 僕が何の疑いも無くドア開けたらどうするつもりだったんだ!? 駄目だ、僕はここでは全てのものを疑ってかからないと。
/81ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加