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だだっ広い室内の奥には、重厚感溢れるデスクが設置されていた。
これが社長の仕事机らしい。
(何の仕事をしてるのかは怪しいけど…)
だって部屋中の壁を埋めつくすのは本棚じゃなくてコレクションケースに入れられた特撮系フィギュアばかりだ。
(ヲタク…なのか?)
ちらっと浮かんだ考えを慌てて振り払い、僕は社長に勧められるままデスクの向かいにあったソファに座った。
どうして社長と向かい合う形に設置したんだこのソファ…。
面接か!
「端的に言おう。私はちょーーー金持ちなんだ」
「はぁ…」
言われずとも。
「そして、幼少の頃から特撮系ヒーローが大好きだった」
「そうですか…」
見ての通りで。
「だから、正義の組織を作った」
…………?
「何ですって?」
「金にものを言わせて作ったんだ。正義の組織を。で、その資金源に仕方無く会社なんてものを興してみた」
趣味の為に、会社を興した。
は???
「会社って、何をしてるんです?」
「私は金だけは腐る程あるからな。世界中からあらゆる技術者を雇いまくって、色々な企業にその技を莫大な高値で売り捌いている」
「そ、それが仕事…」
「私のこの金遣いの荒ささえ、日本の景気へ大いに貢献しているんだぞ」
確かにお金は使われないと巡らないから、景気には貢献してるかもだけど…
お金持ちの理論だよな。
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