邂逅

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1限目が終わり、2限目への中休みの時間に僕は平然と現れた。 窓際の、一番前の席であるのに、やはり今日も僕は1限目からいた事になっている。 マルがつけられた出席簿を見て、さしたる感想も無く、けれどなんとなく虚しい心境だった。 いてもいなくても同じ、と言われてるみたいで。 言われてる、のか。これは。 それとも教師が適当であるのか。 それだったら幾分救いがある。 席に着こうとして、失敗。 目の前に僕が立っているにも関わらず、クラスメートの男子が僕の席を陣取って談笑している。 「…鞄置きたいんだけど」 面倒臭そうに(というか面倒臭い)話しかけると、談笑していたクラスメートのうち一人が僕の存在に気付きビクリと肩を震わせた。 相方の方は― ニヤリと悪どい笑みを浮かべて僕を見上げている。 …気付いてたなコノヤロウ。 「ビビったー…いつからそこにいたんだよ、悪い悪い…」 相当驚いたのか、胸に手を当てたまま男子生徒は僕の席から身を引いた。 チキンな僕は、どいてと言えずに実は3分ここに立っていたんだ、なんて言えないまま無言で席に着いた。 「お前のその才能勿体無いよなー、何かの犯罪に絶対使えそうなのに」 僕の存在に気付いていた癖にスルーしていたもう一人の男子生徒は、ムカつく程に整った顔を皮肉な程に邪悪に歪めて言った。 非常に不名誉な評価だ。 そして使い道は犯罪しか無いのか。
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