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午後の授業を適当に流し、帰りのSHRが終わるのを待つばかりとなった頃、話が短い事だけが取り柄な教師が珍しく長めの話をしだした。
「今バイトしてる奴はいるか」
そう教師が言うと、クラスの大半が眠そうに手を挙げた。
「今手を挙げた者は、バイトの職種と勤め先を書いた紙を提出するように」
すると面倒そうにクラス中から非難の声が上がった。
というか、何で今更?
バイトをしてない僕には関係無い話だけど。
「最近、なにやら妙なバイトを斡旋する会社があるらしくてな」
「妙ってなに?」
「…悪者退治」
「ヒャハー!何それウケんだけど!」
神妙に話す教師のテンションとは真逆に、クラスメート達はゲラゲラ笑いだした。
「とにかく!怪しいバイトには絶対手を出さない様に!ちゃんと調べるから、バイト先の電話番号も記入するんだぞ!明日の朝のSHRで回収するからな」
文句を言われる前にさっさと出ていく教師の背に、生徒達のブーイングの矢が次々と突き刺さっていった。
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