邂逅

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何処の世間知らずか知らないが、人通りが少ないとはいえ仮にも住宅地にヘリコプターを入れるなんて非常識にも程がある。 僕はその阿呆の顔を拝んでやりたい気持ちになり、空き地を取り囲む石塀の影からこっそりヘリコプターの様子を伺った。 ガラッ!と勢い良くヘリコプターのドアが開く。 中から出てきたのは… (何処の、長官?) 大真面目(?)に漆黒の軍服を着込んだ三十路後半位の痛い男が至極偉そうな態度でヘリコプターから降りて来た。 軍帽から微かに覗くのは確かに金髪であるのに、その顔はどう見ても日本人だ。 軍服なんて着てなければただの渋くてカッコイイ大人でいられたのに…。 痛い男はさっと懐から小さな機械を取り出すと(無線機か?)、思わず腰砕けになりそうな色男ボイスで高々と叫んだ。 「ドクソンフォー集合!」 なにフォー?集合? え、何言っちゃってるのこのシト?使徒? 僕が唖然としている中、ヘリコプターの中から数人の男女が出てきた。 そこ、男女歌うな。 男子2人女子2人。 …4人か。だからフォーか。 しかもまた美形ばかり。これは嫌がらせか。ジミメンの僕への天からの当て付けだろうか。 てかドクソンて何? ジャ〇ソンのパクリ? 美少年少女達はこれまたお揃いの黒のジャケットを着て、恥ずかしげも無く軍服男に敬礼した。
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