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翌日、裕也はタバコを吸いながらガイルの後に着いて行く。ルークは、不思議そうに裕也の顔を見ている。
「ねえ、さっきから何で煙りを吸ってるの?」ルークは、我慢できずに聞いた。
「あ?あぁ、別に吸ってたら気晴らしになるんだ。」ふぅ~んと、少し納得いかない顔をした。すると、次の質問。
「ロットてさぁ、何歳なの?僕は、20歳。」「22だ。」朝から質問責めだ。出身は何処だの何で王都に行くのかなど。全て、嘘をついた。と、ゆうよりロットの設定を言ったのだ。アナマという田舎の村から、憧れで王都に行って仕事を見付ける。つまり、お上りさんだ。
ルークの事も聞いた。貴族の長男で妹がいたらしい。だが、幼い頃に妹がさらわれてからずっと捜している。さらに、三年前には戦争が原因で没落。家や財産どころか親まで失ったらしい。
今は、唯一の従者であるガイルとともに王都にいる親戚を頼る為に向かっている途中だそうだ。
「ルーク様、着きました。」
ずっと、黙っていたガイルが口を開いた。
「洞窟じゃねか。」目の前には、ぽっかりと空いた洞窟があった。例えるなら熊が中で寝てそうな感じ。
「この洞窟は、近道なんだ。抜ければ、王都にはすぐに着くんだ。」
寡黙なガイルに、代わりルークが答える。
「ルーク様、スミマセンが松明に使えそうな枝を見つけに行ってもらえますか?私は、ここで入る為の準備をしています。」「わかった。すぐに、見つけて戻る。」そう言ってルークは、探しに行った。
「じゃあ、俺も手伝うよ。」「待て。」裕也がルークのあとを追いかけようとした時、ガイルに呼び止められた。
「何だよ?」「忠告しておく。もし、貴様がおかしな行動をしたら殺す。また、足手まといと判断したら置いて行く。」裕也を、睨みつけながら言った。「テメェ、それ言いたくてあいつを遠ざけやがったな。」裕也もまた、ガイルを睨んだ。
「先程、貴様が吸っていた物は何だ?仲間に居場所を教えたのか?」
疑問がよぎた。
「あんた、何を警戒してんだ?」
「貴様には、関係無い。」その解答に、イラッときた。
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