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目の前で起こったことを全て受け入れる自信があるだろうか。
僕、ルセル・ニアリアにそんな自信はない。
「なんでカレーがオムライスになるんだ?」
「……知らないわよ」
ふんわりと出来上がったオムライスを見ないように、ルイダ・キュリーは目をそらす。
周りのクラスメイトが好奇の目で僕達を見てくる。
「委員長でも無理だったか……」
調理室のホワイトボードの前に立つ人物、ヒイロ・ミソロジ生徒会長が腕を組みながら偉そうに呟く。
「米も炊いてないのにどうしてオムライスが出来るんだ! 卵とかどうしたんだ。カレーの隠し味に卵なんて入れてない!」
僕の必死な叫びに、クラスメイト達が哀れみを含んだ視線で見てくる。
ルイダの料理は今始まったことじゃないけど、いくらなんでも酷い。
主原料を無視しての料理なんて形がおかしい。
ルイダの調理管理役を買ってでた僕の心は既にボッキボキに折られていた。
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