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その時ちょうどよくトーストが焼き上がる。
「こっちも焼けたわよ。」
お母さんが作ってくれていた。目玉焼きもちょうどできたようだ。
「わぁ!いただきます!」
優香はあっという間にトーストと目玉焼きを平らげる。
「じゃあ私もそろそろ仕事にいこうか。」
お父さんはようやく新聞を読み終えたのか新聞をきれいにたたむと立ち上がった。
「あらあら、ネクタイがずれてますよ。お父さんったら。」
お母さんはお父さんのネクタイを手慣れた手つきでわずか数秒たらずで直した。
「これでよし。いってらっしゃい。」
「いってらっしゃい。お父さん!」
「いってくるよ。」
「優香も早く着替えちゃいなさい。築地君を待たせちゃうよ。」
「は~い。」
優香は皿を戻すと、二階に上がる。
また皆と一緒に過ごせる。そう思うとワクワクする。例えこの先どんな力が未来を引き裂こうとしても皆とだったら乗り越えられる。
そう思える仲間がいることを心から思える。
まぁ、こんなこと皆にはいえないけどね。
「優香~?遅れるわよ?」
「今行くよ!」
着替え終了。準備万端。
「行ってきます!」
「いってらっしゃい。」
空の全てを包み込む太陽のやわらかな日差しを浴びながら少し小走りになる。
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