黄色くて黒いお姫様

1/1
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ

黄色くて黒いお姫様

むかしむかしあるところに 父親が最近亡くなった 悪逆非道の王国の 頂点に君臨する十四才の黄色いわがままな王女様がいました 母親は小さい頃に双子の男の子と共にいなくなりました 「・・・私は女王様なんだから、一人でも平気よ お金だってパパがたくさん残してくれたし、執事やメイドや召使いだっている 全然さみしくなんかないわ」 絢爛豪華な調度品 、顔のよく似た召使 「・・・・まさか ううん、そんなはずないわ ・・・だって裏切ったんだもの パパが死んだって言ってたもの」 愛馬の名前はジョセフィーヌ 全てが全て彼女のもの 「ジョセフィーヌ、今日も王女は元気だよ リン、基王女は君を可愛がっているんだ だから僕は君を王女が飽きないように綺麗にしてあげるからね」 召使い、実の双子レンは リンの側で身元を隠しながらも彼女の幸せを願っていました 小さな約束を叶えるために そのために今は王女の愛馬をブラッシングしているところでした ここ最近お金が足りなくなってきました 王女様はお金の価値観などあまりなく 好きなものを買占めていたからなのです パパの教え 「リン、お金がたりなかったら 城下町の愚民どもから搾りとっていいんだからね? リンはお姫様なんだから」 ・・・・ 「パパがあんなに残してくれたのに 足りないわ! ちょっとそこの召使い! 城下町の奴らの税やらなんやらを上げて搾り取ってちょうだい!」 「仰せの通りに、リン王女様」 私に逆らう城下町の奴らは いなくなっちゃえばいいんだわ 「さあ、早くひざまずきなさい!」 レンは仕方ないんだと申し訳なさそうな顔で 王女のために城下町の取り締まり役に伝えにいきました 城下町ではどんどん貧しい生活が広がっていました そんななかで酒好きの女が一人、苛立っていました 「また酒が値上がり!? これだからあの王女様は!! 今度ガツンと言って来ようかしら!」 まあまあと酒場の主人が静かになだめるのでした このあと酒好きの女は怒りの内をさらけ出すことになろうとも 今は知るよしもなかった
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!