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「怖がらせちまったな…俺の名前は二木 シフェル(フタツキ シフェル)。名前は聞いた事あんだろ?」
「フタツキ、さん…?」
何だろう…どこかで聞いた名前
「ぁ……二木学園…」
孤児院を含んだ学校だ
「そ、俺の親父は二木学園の学園長だ」
「………そのような偉い方が私に何の用です?」
睨みを効かせ、鋭く言う
「いやな、年頃のお嬢さんが野宿なんか言うからこりゃ孤児だなーと…」
孤児…
「あなたには関係ない」
「いや、関係あるね」
二木さんはニヤリと笑う
「お前、ウチの学園に来いよ」
「は?」
今、なんていいました?
「……おせっかいなら止めてください」
「おせっかいなんかじゃないさ。お前が心配なの」
なんで?
なんで目の前の人は私をこんなに気にかける?
変なの…
「とにかく、私には二木学園に通うお金は持ち合わせていません。お金が目当てなら他の所に…」
パシッ
乾いた音がした
そして少したってから私の頬が叩かれたということにきづく
「んだよ…」
ほら
やっぱり
私なんて
私なんて
いらない子なんでしょ?
「お前馬鹿か?!俺は本当にお前のことが心配なんだよ!」
「信じられません」
「お前は…怖いんだな?」
体が無意識にビクついた
「お前は傷つくのが嫌で他人を寄せ付けないんだ」
「そんなこと…初対面のあなたがわかるわけ…」
「いいやわかる。目が怯えてる」
違う違う違う
私はただ人見知りなだけ
別に傷ついてもいいって思っている
これ以上私の心に入ってくるな
「違う…私は……」
「違くない。お前は怯えながらずっと生きてきたんだ」
「勝手に決めないで!これ以上私の心に入ってこないでよ!!」
私は半ば悲鳴を上げるように叫んで駆け出した
「…………」
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