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静寂が室内を支配する。
やがて、一人が口を開いた。
「どーゆーことや………フライドが死んだやて?しかも裏路地?あいつが死ぬなんて信じられへん!ケルクのNO.3やぞ!?」
ケルクには、強さの序列がある。能力の強さ、戦闘能力…………さまざまなことを考慮して、序列がつくられる。
そのうち、フライドは三番目に位置している。それは、学園で三番目に強い魔術師であるということを意味するといっても過言ではない。
「きちんと説明してくれんとわからんがな!!」
そう強く発言しているのは黒桐陸。想太と同じく、日本の関西から来た、風水を操る魔術師である。
そんな陸を、チャンは静かに見つめる。そして次の瞬間、
叩きつけられた水圧により、陸の姿は吹き飛んだ。
「う、あっ………!?」
数メートル吹っ飛び、水浸しになった陸は茫然とあたりを見る。
再び静寂が支配する室内に、凛としたチャンの声が響く。
「頭を冷やせ黒桐。黙って私の話を聞け」
反論を許さない、強い声。その雰囲気に思わず、全員が息を飲んだ。
「フライドが死んだ。場所は裏路地、つまりは管理区だ。それは理解したと思う。これから、お前達には管理区に行って現場を調べてもらう」
瞬時に全員が顔を見合わせた。驚きの表情を隠せない。
――――管理区に入る?そんなことが許されるのだろうか?
そんな疑念を読み取ったかのように、チャンは続ける。
「学園上層部から許可はでている。安心しろ。これから管理区にむかう。いいな?」
重々しく、全員がうなずいた。
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