concerto~鳴り止まぬ破滅の協奏曲~

6/7
前へ
/53ページ
次へ
管理区は非常に複雑な空間だった。「裏路地」という名称が、単に「隠された場所」という意味だけではなく文字通りの意味も含んでいるのかと錯覚する。              管理区の入り口は厳重に警備されていて、入るのはさまざまな手続きが必要だった。厳格な顔つきの警備員に睨まれながら、一人一人チェックを受ける。              「エミリア・ロード。錬金術師。グラン・ダル。契約者。御堂想太。召喚師」              それぞれ、手を挙げて返事をする。              「黒桐陸。風水師。フレア・ミラー。占星術師。クロード・エバンス。呪術師。シャン・ティン。魔導師」              次に呼ばれた四人が返事をする。              フレアは小柄な白人の少女で、まだ13歳の最年少メンバーだ。占星術師としての能力は高く、近い未来を視てサポート役をこなしている。              クロードは大柄な白人で、寡黙な人物だ。だがメンバーの中で最強の能力を持ち、呪術系の魔術を得意とする。              シャンは東洋系の血筋の少女である。魔導師という特殊な能力者で、他者の魔術を瞬時に理解・解析して無効果することを得意とする。              「通行を許可する」              無機質な声と共に、全員の通行が許可された。そして通過したわけだが……。             
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!

42人が本棚に入れています
本棚に追加