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「なんや、この空間は…………?」
陸のつぶやきは、端的にその空間の不思議さを表していた。
一面、すべてが白。壁から地面に至るまで、あらゆる人工物は白一色に染められている。
ただ頭上に広がる青空だけが違う色を有している。
「いくぞ」
チャンの声に促され、あわてて全員が歩きだす。
「なぁ、どんな空間なんだ?」
「…………わかりませんわ。星の位置からして、ちょうど学園の中央付近ではありますけれど」
困惑した顔で、フレアがそう答える。
その時、不意にチャンが歩みを止めた。
「見ろ」
――――静かに指差したその先に、フライドの死体が横たわっていた。
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