西川美和

10/17
前へ
/519ページ
次へ
美和が動いたのは才多とほぼ同時だ。 才多がドリブルを始め、美和に切り込もうとした瞬間にそれは起こった。 彼女はボールの跳ね際を狙い、才多とボールの間に手を伸ばしたのだ。 美和はすれ違うようにして才多からボールを盗った。 それは修一が最も得意とするボール奪取の方法だ。 「マジかよ……」 信じられない。 才多はそんな表情で自分の手を見つめる。 今まで男子にすら負けた事はなかった。 聖也達に関しても、彼らの得意分野では勝てないが、それでも実質は才多の方が上だ。 しかし今、才多は完全に負けた。 しかも女子の後輩に。
/519ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3690人が本棚に入れています
本棚に追加