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美和が動いたのは才多とほぼ同時だ。
才多がドリブルを始め、美和に切り込もうとした瞬間にそれは起こった。
彼女はボールの跳ね際を狙い、才多とボールの間に手を伸ばしたのだ。
美和はすれ違うようにして才多からボールを盗った。
それは修一が最も得意とするボール奪取の方法だ。
「マジかよ……」
信じられない。
才多はそんな表情で自分の手を見つめる。
今まで男子にすら負けた事はなかった。
聖也達に関しても、彼らの得意分野では勝てないが、それでも実質は才多の方が上だ。
しかし今、才多は完全に負けた。
しかも女子の後輩に。
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