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才多は笑いながら詫びるが、全然反省しているようには見えない。
美和は溜め息を漏らした。
「なら良いです」
そう言って踵を返す美和だが、才多はそれを止めた。
「いやいやいや、教えてくれよ。何を内緒にすれば良いんだよ」
「全てです。今日の出来事、全て」
即答して帰ろうとする美和だが、才多はさらに止める。
「全てって。具体的に言ってくれないと俺も分かんねぇよ」
才多自身、美和の秘密を知りたいとは思わない。
秘密にしておきたい事を詮索もしない。
ただ今日の出来事全てと言われても、何らかの関連性から自分が余計な事を言うかも知れない。
それは才多にとっても申し訳ない気がした。
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