西川美和

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「…………」 美和は沈黙し、しばらく考え込む。 そして手に持っているボールを才多に投げた。 「私にパスを出して下さい」 「……?」 才多は訳が分からず、言われるままにパスを出した。 美和はそれを優しく片手で受け止め、体を一回転させた。 「えっ――」 美和は片手で受け止めたまま才多へのパスに転じた。 それはいつも聖也が見せるワンタッチのパスそのものだった。 「次はシュートして下さい」 唖然とする才多に次なる要望が入る。 才多は頷いてボールを額の位置に掲げ、シュートした。
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