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ハセジュンは立ち上がった。そして黒い小さく細長いモニターを出した。まだ5つ光がある。
「さっさと終わらせねぇば…」
ハセジュンは一番近くの光の所に行くことにした。
「ボスか…」
ハセジュンは元来た場所に戻ってガクを救う際放り投げたZガンを拾った。そして近くに転がっている死体の中にまた黒い制服を見つける。トビナイ ノリヨシだ。
ハセジュンは黙ってトビナイを抱き上げて道の端に寝かしつけた。無惨な死に方をしているがせめてもの気持ちだった。
「ハセジュン…」
シンが戻ってきたハセジュンを見る。
「もう全部倒したの?」
「いや…」
ハセジュンはシンとガクを見る。まだ2人ともそれなりに保ちそうだ。
「絶対ここから動くなよ」
ハセジュンは再び走り出した。
「よし…これでオッケーだべ」
クドウ トモヤは制服を着た。制服の裾や襟から黒いスーツが見えている。
「だっせぇー…」
フルカワ タツルがスーツを着た自分の体を見て言う。スーツは体のラインにぴったりと張りついている。タツルの筋骨隆々な肉体がはっきりと見える。
「マジでこれさっきのハセジュンみたいなこと出来んのかよ」
そう言ってトモヤは自分達がいる路地の壁を殴る。コンクリートの壁がやすやすと壊れる。
「うわッ…ヤバッ」
「マジ…」
タツルも壁を叩く。壁が軽く陥没した。
「やべぇなこれ…」
トモヤが自分の手を見る。
「これなんかセンサーっぽいで」
タツルが黒く細長いモニターを出した。スーツと一緒にケースの中に入っていたのだ。
ブウン
タツルがスイッチを押した途端モニターにライトが灯る。トモヤもそれを見て自分のケースから同じ物をだす。
「おぉ…」
トモヤも画面を見る。
モニターの中心は恐らくトモヤ達であろう。細い路地が画面の真ん中に置かれてある。意外とアバウトな図だ。
「うわッ…近くに一体いるじゃん…」
トモヤが言った。タツルが頷く。
「やってみるべや」
そう言ってタツルが商店街の表通りに繋がる方を見た。
空を泳ぐ魚星人がこっちを向いている。
「マジで…?」
トモヤはモニターをケースの方に放り投げる。
「多分大丈夫だべ…」
タツルは腕をボキボキと鳴らす。
魚星人がこちらに向かって突進してきた。
スグルとユウも同じ頃スーツを着ていた。
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