59人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
ハセジュンは着地した。足元には先程スグルが取りにいこうとしたZガンが落ちている。
「絶妙…ッ」
シンが言う。
ハセジュンはZガンを拾い上げ巨大魚星人に標準を合わせた。
計画通り。ハセジュンは魚星人の尻尾に跳ね上げられる勢いを利用してZガンが落ちている場所まで戻ることが出来た。同時に敵との間合いも取ることが出来る。ムラハタの身体は魚星人とハセジュンの間にあるがハセジュンが魚星人を引きずったため距離はかなりあった。これでムラハタが生きているにしろ死んでいるにしろムラハタの身体を巻き込まずにZガンを使える。ハセジュンはにやりと笑う。
ハセジュンはZガンのひとつめのトリガーを魚星人に向けて引く。キュウウウウンという音が静かに鳴る。
ハセジュンはゆっくりと2つめのトリガーを引いた。
ドン!!
大きな音とともに魚星人の体が地面に叩きつけられる。まるで巨大な判子を上から押されたかのように円形のくぼみが魚星人の頭部にできた。
「やッぱりかてぇのな…」
ハセジュンがそういって再び2つめのトリガーを引く。
ドン!!
再び魚星人の頭に見えない巨大な力がかかる。魚星人が地面に叩きつけられる。魚星人の口から血や内臓のようなものが飛び出る。
「駄目押しだ…」
ハセジュンがまた数回トリガーを引く。
大きな音とともに魚星人の頭がだんだん潰れていく。もう顔の原型は無く口だった場所から脳味噌がぶちゅぶちゅと出てくる。
「ラスト…!!」
ハセジュンが最後にトリガーを引く。もうその場にいる者全てが魚星人が息絶えたとわかっていた。だがハセジュンはトリガーを引いた。
ドン!!
魚星人の頭があった場所がすっぽりと削り取られていた。地面には円形の穴が出来てその中には血だまりが出来ていた。血だまりの中には魚星人の頭蓋の破片や皮が浮いている。
ハセジュンはZガンを下ろす。そしてモニターを見る。まだ雑魚が何匹かいた筈だ…「何…?」
ハセジュンは眉をひそめた。モニターに魚星人を表す光が無い。
「まさか…」
タツルは腕を振った。腕から血がはらわれる。タツルの足元には腹が引き裂かれた魚星人が倒れている。大きな傷口から内臓が出てきて悪臭を放っている。
隣でトモヤが吐いていた。トモヤの足元にもまたエラが引きちぎられて息絶えた魚星人の亡骸が転がっている。
最初のコメントを投稿しよう!