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「やめろじゃよ」
スグルが後ろからシンを羽交い締めにしてハセジュンから引き離す。シンはハセジュンの胸ぐらを掴んでいようとしたが中にユウが入ったせいでシンはハセジュンのスーツを手放してしまった。
シンはハセジュンを睨む。ユウがシンの肩をポンと叩いて言う。
「ハセジュンいなきゃこんなにわぃ達生き残れなかったしてな?」
「ハセジュンが忠告してればヒナ達も死ななかったかもしれないべな!!」
シンがスグルに抑えられたままじたばたと騒ぐ。スグルが止めながら言う。
「おめぇあの状況でハセジュン説明してる暇あッたかよ!?」
「…ッ」
シンは言葉がつまる。確かにその通りだ。ハセジュンに怒りをぶつけたい衝動もあったが、シンを救い、ガクを救い、多くの魚星人を倒して多くのクラスメイトを救ったハセジュンは最善を尽くしていた。
ちりりりりりん
シン達の会話は中断された。黒い球体からベルがなる。その場にいたメンバー全員が黒い球体を見て凍り付く。
「ガンツの採点が始まる…」
ハセジュンが呟く。
「採点?」
シンがハセジュンの方を見る。クラスメイト全員の緊張の糸がほぐれる。
ハセジュンは今までの重苦しい態度を一変させ、再び普段のひょうひょうとした態度に戻る。
「はい、では…採点…を始めます」
とりあえずまた転送されたりするわけでは無さそうだ。シンは黒い球体、ガンツを見つめる。
「あ…」
ガクが言う。ガンツの曲面に転送される前に表示されたように白い文字と絵が浮かび上がる。絵はシンのクラスメイト一人一人のものであった。
「ハタケか…」
シンはガンツに最初に表示された絵を見て言った。緩い絵ではあるがなかなか特徴を捉らえている。
ベジータ
0てん
ハゲすぎ
ビビりすぎ
またふざけた内容だ。ハタケが後ろでそれを見て悪態をつく。みんながくすくす笑う。
次にガクの絵が浮かび上がる。
「お…わぃだ」
ガクが画面を覗き込む。
チャラ男
0てん
バカ
「……」
ガクが無言で頭を掻く。ユウがガクの肩をポンと叩く。
それからも次々とクラスメイトの点数が表示されていく。みんな0点だった。シンは自分の番を待ちうずうずしていた。
「あ…」
坊主頭の絵が表示された。タツルだ。
タツル
1てん
「おおー」
シンがタツルの顔を見る。タツルはサムズアップする。ハセジュンは腕を組み顎を撫でながら
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