序章   【夢】

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懐かしい                        だけど、少し違う                    熱い                          燃えている                       記憶に写るその風景は当たり一面、真っ赤になっている                               たくさんの人の叫ぶ声がする                             父さん、母さん…もしかしたら、兄か、姉か、弟か、妹かの兄弟がいたかもしれない                                思いだせない                      だけど、倒れている自分に覆い被さっているのは誰か分かる                             記憶が無くても、直感で誰か分かる                          母さん                         「――――!――――――!!!」                          記憶の中の自分は、何かを叫んでいる                         聞こえない、分からない                               泣いているのか、視界が少しぼやけて見える                                    震える体は母親と思われるお腹の当たりをゆっくり見る
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