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昨日の夜
遅くまで友人と適当な話をしながら盛り上がっているとmailを知らせるメロディーが流れた
時刻は午前1時
友人からのmailだったら心配などしないのだが、その曲は君専用のものだった
『眠れない』
そんな短い文章だけの簡単なmail
別に俺達は付き合っている訳ではない。だから無視してもいいのけど出来ない…
それはきっと俺が君に恋をしているせい
叶うことなどあり得ない、片想い
これまで沢山の恋をしてきた
成功したものの方が多いが、失敗だってある。そんな経験からなのか、心のどこかで無理だと思えば大胆になれない…告白なんてもってのほかだ
『珍しいな、どーした?』
なんて送ればいいのか見当がつかなくて、素っ気無い返事をしてしまう
そーいえば前の彼女に、「たまに素っ気無いよね~」なんて笑いながら言われた事があったっけ…
すぐには帰ってこない返事を待ちながら、友人と話しているとまた鳴り始める携帯
「彼女が寂しがってんじゃねぇの?」
なんて茶化してくる友人の言葉をスルーしながら携帯を見る
『わかんない…寂しいのかも』
寂しい…
この夜空の下、暗い部屋に独り眠れぬ夜を過ごしている君の数少ない本音
『寂しいとか、かわい~(笑)
あ、つかお前明日泊まりに来いよ。休みだろ?』
ちょっとふざけた内容のmailを送るのは、少しでも君の寂しさが和らいで欲しいから
ついでに逢いたくなったから誘いのmailもしてみる
「どーしたんだよ。さっきから顔がニヤけてっけど?」
気付かないうちに表情が緩んでいたらしくて、友人がニヤニヤしながら顔を覗き込んでくる
「うるせーよ。つか、寝る」
色々質問されそうになって慌てて残っていたビールを開け立ち上がるとそのまま寝室へと向い
、ドアを閉めて携帯を持ったままベッドに倒れる。酒で火照った身体と対照的にひんやりとした布団は心地よくて瞼が重くなる。
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