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序章・始まりの一滴
こぼれ落ちた雨水を慌ててその手で受け止めた。
だが、手からこぼれ落ちる欠片を全て集めようとも、それは私の求めていたモノではない。
わかってはいても渇望するこの想い。どう表現しようか。いや、それさえも無意味なのだろう。
たとえ、どのようにうまくいおうが発した言葉が想いを全て伝えられるかといえば、そうではないのだから。
あきらめきれない。
たとえ、それがどのような罪でも。
どのような代償を払おうが。
私は天より舞い降りた最初のただ一滴、そのままを渇望する。
恋い焦がれて、身を焦がし、そして自滅してしまうとしても。
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