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「うわっ。な、何なんですか、あなたたち」俺は両脇をバニーガールの美女に支えられてどぎまぎした。
豊満な乳房が体に密着し、フェロモンを含んだ香りが鼻をくすぐる。本来なら嬉しいはずである。
しかし、この異常な状況下だ。混乱してしまう。
どうして死後の世界にバニーガールがいるというのだ。不自然に過ぎる。そんな話、生前には一度も聞いたことがない。
もしかして俺は死んでいなくて、ここは地球上のどこかの場所なのか。
美女二人にずるずる引きずられながら、あれやこれやひたすらに考え続けた。
おかげでこの二人の美女に命令を下した者のところへ到着したことにも気づかなかった。
「おい、何をひとりでぶつぶつ言っておる」
どうやら、独り言を呟いていたらしい。
「いえ、意味もないただの」申し開きしながら俺は顔をあげた。
外と同じく真っ白な場所。四十がらみのオヤジがフンドシ一丁で寝っ転がっていた。
禿げ頭で、太鼓腹。周りに散乱した酒瓶から察するに多少酔っているのだろう。頬が、赤い。
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