血の表すもの

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「いえ、睡眠はとってるんですけど、昨日読んだ本が色々と気になって…」 慌ててこびりついた焦げをコテで取ろうとするけど、なかなか上手く剥がれない 「そうね、まだ高校生のあなたには色々と追いつかないものがあるわよね。世の中の不条理さとかね。でもその理解を経ての演技と知らずの演技では深みが違うわよ」 渚先生は、テーブルに無造作に置かれた「ギフテッド 」と書かれた台本の表紙を長い人差し指でコツコツと叩いた 「環境か遺伝か…。才能が与えられたからといって幸せに生きられるとは別の話なのよね。そう思うと、幸せに生きられるってのも一つの才能よね…」
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