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「早くこっちへ!!」
「「キャッ!」」
俺は二人の腕を掴み、
勇者様は背中へ、
魔王様は右腕に抱え込むように持ち、近くの岩場の溝に滑り込んだ。
いくら破壊力が有るって言っても、ここら辺の岩場は微量にミスリルを含むからそう簡単には壊せないだろう。
「…………っはぁ~……。大丈夫ですか? お二人とも?」
俺は吹っ切れたように溜め息をつき、二人を確認した。
どうやらあちこち服が汚れていたり、擦り傷などだけのようで勇者様の足首を除いて大したケガはしていないようだ。
「う、ウム……服が汚れたが、大丈夫じゃ……。」
魔王様は裾についていた砂を払い、俺を疑うように答えた。
やっぱり敵国の兵士だから警戒されてらっしゃるのかね?
「私も、大丈夫だ。」
勇者様は勇者様で自分の不甲斐なさと、しでかしたことにに落胆して肩を落としている。
こりゃ……立ち直るのに時間がかかるね。
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