土地神さま

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確かに、よく考えてみればそうだ。 少女がその華奢な身体で高校生男子を部屋まで運ぶことは容易ではないはずだ。運ぶための道具を使っていたとしても、だ。 しかも、布団を敷き看病までしてくれている。 まずは礼を言うことが先だろう。 「そうだな。 看病してくれてありがとう。 俺は簗瀬秋広っていうんだ」 「知ってる。 あなたの持ち物に書いてた」 「勝手に人の鞄を漁るなよ」 「いいじゃない。 だって暇だったんだもん」 少女はすねるように頬を膨らませた。 「それに、久しぶりの下界だったから気になってたのよ。 あなたの持ち物、見たことないものばかりだったし」 親にしかられて自信なく言い訳をする子供のように少女は言った。 「俺の持ち物ってそんなに珍しいか? 入ってたの教科書くらいだったろ?」 「い、いいじゃない別に。百年も上にいたら誰だってそうなるわよ!」 顔を真っ赤にして梁瀬を怒鳴った。 「なんで俺が怒鳴られるんだよ。 それに、百年も上にいたって意味わからんぞ」 梁瀬はうんざりしたように言った。 「あ… 自己紹介を忘れていたわ。私は風原鈴音(かざはらすずね)。 この風原町を守護する土地神よ」 「土地神? ってことは、お前が神様ってことか?」 「そうよ?すごいでしょ」
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