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『こいつはどういうつもりで言ったのだろう。
まさか、その歳になってまだママゴト遊びをしているのか?
それなら俺は付き合いきれないぜ』
「ええっと、一つ確認させてもらうが、お前は何歳だ?」
「女の子に対してその質問する?」
『いや、外見から判断すればわかる歳だろ』
「まあいいわ。
そうね、人間から見たら私は15歳ってとこかしら」
「人間から見たら?」
「そう。
でも実際はあなたたちなんかよりよっぽど歳上よ。
軽く三百歳はあるかしら」
「そうか」
対応するのが面倒になっていた。
「ちょっと。
ちゃんと私の言ってること聴いてる?」
「その歳になってまだママゴト遊びをやってるやつの対応をするのが面倒になった」
「は、はあ!?」
少女は心外だ、と言わんばかりの顔をした。
「私が嘘を言っているとでも?」
「そりゃそうだろ。
三百歳なんて生きてられないだろ」
「だから、私は土地神だって言ってるでしょ」
風原は少し声を荒らげて言った。
どうしても自分の言い分を通したいようだ。
「じゃあ土地神だっていう証拠を見せてみな」
「しょ、証拠?」
「そうだ。
それを見せてくれたら信じてやるよ」
「本当に?」
風原は疑り深い目を向けた。
「ああ、本当だ。
ただし、確実なものじゃなきゃダメだ」
「…わかったわよ」
『仕方ない。
人間には見せないほうがいいんだけどね』
風原は立ち上がり、人差し指を前に突きさした。
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