VECTOR CROSS

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突然、イーサの視界が閉ざされる。 ほのかに体に伝わる温もり、そして軽い圧迫感。 そこで初めて、イーサは自分の体がバクに抱きしめられていることを実感する……。 慌てて振りほどこうとするイーサだったが安心した子供のように無邪気に笑うバクの横顔を見て、そっと眼を閉じる。 「先輩……」 「ん?」 イーサはバクの耳元で囁き、腰に手を回す。 「フフ、なんかおかしいですよね。今さっき知り合ったばかりなのにもうこんな…… でも、私は昔からあなたのこと知ってましたよ。 遠くて遠くて一生、喋ることなんてないんだろうなって思ってた……。 こうしてる今でも不安でいっぱいです。 それでも私、その……先輩にとっていいパートナーになれますかね……?」 「あぁ、なれるさ…… 最高のビジネスパートナーに!」 「………………ん?」
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