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バクは大層上機嫌な様子でイーサの肩をバシバシ叩く。
「アハハ! オレの一族は代々、ずば抜けた頭脳とすばしっこさだけで後はてんでダメなインドア派だからな。
どうしても、お前みたいな凶暴な一族の肉体派が必要だったんだ」
バクは会議机の端の棚から丸めた筒状の紙を取り出し、机に広げる。
東西南北の矢印を見るところ、どうやらそれは世界地図のようだ。
中央に大きく描かれた大陸には赤と青で色分けがされている。
「これはこの大陸の地図だ。まずはこの色分けなんだが-
「ちょ、ちょっと待ってください!」
我に帰ったイーサは慌てて声を張り上げる。
「その、いろいろとツッコミたいことはあるんですけど……まず先輩の言うパートナーってのはあの、人生のとかそういうニュアンスじゃないのかなぁーって……」
話していくうちに徐々に声の小さくなっていくイーサ。
「人生? 悪い、ちょっと意味がわかんないんだけど……」
「……!?」
バクは一歩引いた冷たい目線でイーサを見つめる。
ようやく自分の解釈が勘違いだったことに気付いたイーサは先程以上に顔を真っ赤にする。
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