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-数分後、イーサは会議室の隅で小さくなって落ち込んでいた。
あまりに重苦しい空気はバクに喋りかけることさえも渋らせる。
「えっと、何やってんだ、お前……?」
「……喋りかけないでください。イーサはもう人を信じたくありません……」
「ったく、わけわかんねェ奴……」
バクは机に置いてある地図を手にとると、イーサの前にしゃがみ込み、それを広げる。
「これ、なんだかわかるか?」
「地図ですか? でもこんなに全体が見渡せるのは初めて……」
「やっぱりそうか。じゃぁ、いつもはどこまでの描かれた地図を見てる?」
イーサは赤くぬられた方を指でなぞる。
「ここまでです。というかこの青いとこ、私の知ってる世界地図よりも全然大きいんですね……。
なんなんですか、コレ?」
困惑するイーサにバクは蔑むような不敵な笑みを向ける。
「連合軍3、政府軍7……。
それがこの国が何十年も隠し通してきた……いや、隠し通さなきゃいけなかった世界の現状だ」
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