PROLOGUE

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-尽きることのない欲望と渇望- そんなものにあてられ、かつて人々は戦争を繰り返した。 銃火器は轟音を轟かせ、白刃は紅いに染まる 血を血で洗う骨肉の争い。 積み重なる怨恨がさらなる蟠りを生み、新たな戦争を生む。 人々は宗教や地域、持って産まれた特異な能力に合わせ、民衆ごとにそれぞれの武器を掲げ戦争は激化の一途をたどっていった……。 迎えるはずのなかった終焉。 しかし、それはある時、唐突に訪れる。 政府と名乗る組織の誕生だ。 誰が確立したのかも、名付けたのかも、 何のために生み出されたのかも不明。 しかし、確かにそれはそう呼ばれていた。 やがて争いの絶えなかった世界はこの組織に平定され、 いつしかこの組織は世界そのものとなった……。 自由と引き換えに取り繕われていく平和。 それは人々に疑念を植え付けた。 やがて彼らはその平和が仮そめだと称し、世界を蔑んだ。 そうして彼らは世界そのものに抗うことを決意した。 彼らはいつの日にか愚かさの象徴として こう呼ばれた。 『束縛されし民』(チェーン・レジスタンス)と……。
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