VECTOR CROSS

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「……入ってくれ」 イーサがドアを開ける。 部屋の中には窓のブラインドがおろされているため、真昼だというのに薄暗い。 見渡すと奥の会議用の長机の中央には一人の少年が座っている。 中性的で端正な顔のつくりとは裏腹に目つきは鷹のように鋭く、手の平を顔の前で組みながらこちらをじっと見据えている。 イーサは恐る恐る少年の前に立つ。 「お前がイーサ・リィ・ウィッチードで間違いないな?」 「え? は、はい!」 たじろぐイーサに少年は不敵に笑ってみせる。 「オレはバク・エンストライズ。……バクでいい」
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