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「これは魔法のネックレスだそうだ。こちらに来たばかりの頃に百合子さんがとある人から貰ったんだ。
百合子さんはその人を妖精だったのかも。と言っていたよ。
キラキラ輝きを放つような不思議な雰囲気の人だったらしい。」
カパッと箱を開けると、ため息が出るほど細かくて美しい細工に彩られたエメラルドのネックレスが入っていた。
「!!
とっても素敵だわお祖父様!!」
「そうだろう。」
「はい!!」
「百合子さんは、これは菫が大きくなったらプレゼントするの。
と言うだけで自分では一度も身につけなかったんだよ。
だからこれは百合子さんから菫へのプレゼントだ。」
「お祖母様が。
ありがとうお祖父様。」
「さ、こちらにおいで。
つけてあげよう。」
そう言ってネックレスを菫の細い首につける。
「良く似合っているよ。
今日のドレスにもピッタリだ。」
「ありがとう。
私、薔薇園に行ってお花を摘んでこようと思うのだけど、良いですか?」
「ああ。行っておいで。
素敵に咲いているから。」
「はい。
行っきます。」
と薔薇園へと向かった菫。
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