祖父の古城にて

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てくてくと5分ほど歩いてたどり着いたのは、花盛りを迎えた薔薇園。 色とりどりの、大小様々な薔薇が美しく咲き誇っている。 「お久しぶりね薔薇さん達。 今年も素敵に咲いているのね。」 素敵に咲く薔薇を前に自然と笑みが零れる菫。 「良い香り。」 花から薫ってくる素敵な香りにうっとりと夢心地な菫。 「摘む事を許してね。」 そう声をかけながら、一輪一輪、棘を取り除きながら手折っていく。 当然足元へは意識がいくはずも無く。 「え!!? キャ~~~!!!!!!」 ドスッ! 何秒ほど落ちていったのかわからない。 深い深い穴が何故かポッカリと空いていたのだ。 落ちた衝撃で気を失っている様子の菫。
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