88年目のビヨル

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「ねぇ、翡翠ったらいつまでビヨルの鏡を覗いているつもり?」 ホゥっと小さな星の光が湖の中に消えていった。 「えぇ、もう少し見ていたかったのだけれど……もう消えてしまったわ」 「また彼を探していたの?」 「ふふ。その通りょ、洋蘭」 「生前のことを覚えているのはあなただけよ。ねぇ、その人のこと教えてちょうだい?」 「えぇ、もちろんよ。彼……湊は私がローズ・ルビー婦人のところで養女として生きていた頃の婚約者だったの。」
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