My Strawberry JAM

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My Strawberry JAM

初めて貴女を知った時、あたしはすごく驚いた   だって貴女の名前、直訳すると「砕く」って意味なんだもの   「砕けちゃだめじゃない」なんて思ってたら   そうやって色を作って絵を描いていることを知ったよ。   あたし知ってるよ   不安をなくすために絵を描き続けていることを。   貴女が貴女で在るために   自分が何者なのかを覚えているために   あたし知ってるよ   貴女がどうやって色を作り出すのかを。   名前の通り砕かれて飛び散った自分の心の血を   自分の望む色に変えて筆先につけているんだって   あたし知ってるよ   貴女は色んな色を知っている。   悲しいパステルカラーも   幸せなグレーも   泣きたくなるようなピンクも   叫びたくなるような白も在ることを、貴女は誰よりも知っている。   貴女の奏でる絵は優しい。   けれど貴女の描く絵は苦しい。   愛おしさで溢れそうになるのに張り裂けそうになるくらい胸が痛くなる。   だからあたしはいつもこんな愚かなことを思ってしまう。   「辛く、ないの…?」   でもきっと、あたしがこう問いかけたら貴女はニカッと笑いながらこう答えるだろう。   「これがあたしだから」   砕かれた心は元には戻らない。   だけど、そんなの承知で貴女は色を集めて絵を描き続ける。   だから一雫の涙を言の葉に添えてこの詩を紡ごう。   たった一人の貴女の為だけに…   絵:JAMimage=351989828.jpg
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