機魔界戦記の始まり

9/12
前へ
/45ページ
次へ
紫色の機魔が持っている大きな銃は、その砲身が溶けてドロドロになっている。 『リ……リミットブレイクスルー……!!』 『なにソレ……!?』 『一撃で使えなくなる程に出力の高い魔力砲よ……普通の機体なら木端微塵だったわね』 僕様の背中に寒気が走った。 確かに、イグドラシルの魔力が10000以上減っており、実際、相手の魔力は3642、アカネの魔力は3985だ。 『あなた、どういうつもり!? 辺境とは言え、ここはキングダムのド真ん中よ!! こんなことをして、許されるとでも思っているの!?』 『……』 アカネが警告するも、敵は無言。 そして突然、溶けたリミットブレイクスルーをイグドラシルに向かって投げつけてきた。 溶けた銃の使い道などその程度。 その行動を予測していた僕様は、それを片手で振り払い、背中の剣を抜き放った。 イグドラシルの、もとい僕様の魔力が剣へと流れ込み、それが刀身へと変化していく。 巨大な光の剣となったそれを、僕様は目の前の機魔に叩き付けた。 しかし、その一撃は懐に潜り込まれるようにして回避される。 それと同時に腹部に衝撃。 機体が横に飛ぶのがわかった。 敵の機魔はいつの間にかバズーカを持っている。 あれで、撃たれたのか……!!こちらの魔力が10000程度まで削られている。 『魔力活性値7200……当たれば一発ね』 アカネの言葉に見れば、剣の魔力は7210の数値を示している。 『けど……当たらなければ倒せない』 紫色の機魔は、再び僕様に距離を詰めてくる。 『紫色のシルバータイプ……そしてあの武器……まずい!! 逃げて!! サイトくん!! 彼女は君の手に負える相手じゃない!! それはショートレンジ・バズの使い手、罰樹の乗る機魔……「ブレイズ」よ!!』 『……わかった!!』 アカネがそう言うなら相手にしない方が賢明なのだろう。 僕様は急いでブレイズから距離を取った。 『私が相手よ……』 僕様とブレイズの間に、ファントムが割って入った。 ※画像はブレイズimage=358563272.jpg
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

36人が本棚に入れています
本棚に追加