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そこまで行って、僕様はずっと聞こうとしていたことを思い出した。
「そういえば、アカネって僕様がこの世界に来た時、フリーザーを殺してたように思うんだけど、あれって……」
「ああ、あれね。すっかり説明するのを忘れてたわ。
フリーザーはね。殺しても死なないというか……いや、生け贄として成立してるから死んではいるんだけど……とにかく、殺してもすぐに生き返るのよ」
「なんで?」
「さあ? 呪いか魔力障害の類だとは思うんだけど……。
とにかく、フリーザーがいれば生け贄には困らないってこと。ナビゲーターはそのついで」
「……なるほどね」
僕様の世界では道徳的に有り得ない話だが━━それは所詮近代になってからの話だが━━この世界ではそれが普通なのだろう。
「ま、キングダムの道徳主義からしてみれば、フリーザーが被害者で私が悪なんだけどね」
「あ、そういう概念もあるんだ」
「俺はそういうの大嫌いだけどな」
ファイヤーは吐き捨てるように言った。
「道徳なんてのは、裕福な人間のエゴでしかねえ」
「僕様もそう思うよ」
「……ふん」
それだけ言って、ファイヤーは再び食事に没頭した。
「さーて、それじゃあ遂にサイトくんも召喚できたということで、ファイヤー、サンダー、フリーザー、サイトくんの4人をアカネ四天王に任命するわ!!」
「やったぜ!!」
「「「……は?」」」
サンダーは分かっているのかいないのか喜んでいるが、僕様とファイヤーとフリーザーの頭の上には「?」が浮かんだ。
「まあ深い意味があるわけじゃないけどね。これからはもっと活動を積極的に行なっていく、ということよ。
それで、機会があればアカネ四天王を名乗るといいわ」
「了解だぜ!!」
「……まあ、いいか」
「……そんな機会が私にあるとは思えない……けど……」
「あ……うん。それで、どんな活動をしてるの?」
「おい、説明してなかったのかよ」
「ごめんなさいね。色々あってまだ説明できてないの」
「じゃあ俺が説明するぜ!!」
そしてサンダーは嬉しそうにこう続けた。
「正義の味方だぜ!!」
※画像はフリーザー
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