誕生!! アカネ四天王

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アカネに案内された部屋は、ベッドに机、それと本棚のある畳の部屋だった。 天井の中央には裸電球が取り付けられ、机の上には電気スタンドがある。 「……昭和だ」 「昭和?」 「僕様の世界の一昔前の年号だよ」 「……ま、一昔前ではあるわね」 言いながら、アカネは壁のスイッチを押した。 すると、ベッドの近くにモニターが現れた。 「けど、性能的には最先端よ」 更にモニターのボタンを操作すると、画面が明滅して映像が映った。 「……サイトくんは結構残酷なところがあるけど、こういうのは好き?」 画面には、先程の罰樹という人が映っていた。 目と口を塞がれ、それ以外は全裸で、台の上にこれから改造手術をするかのように張り付けられている。 彼女の体は全方位からライトで照らされ、その光熱に汗を浮かべている。 僕様は思わず赤くなって目を反らした。 「なんなのさ……コレ……!?」 「うわ、意外とウブな反応。 私ちょっとキュンってしちゃったかも」 馬鹿にされたような気分になったので、僕様は咳払いをして画面を直視した。 しつつも、それ以上のことは考えないようにした。 「……で、これはなにをしてるの?」 「拷問よ、拷問」 アカネは当然のことのように言った。 「普通の拷問は苦痛で口を割らせるけど、私の拷問は苦痛で精神を壊してなにもかもをしゃべらせるの」 罰樹の体の上にスポイトを持ったロボットアームが接近し、液体を垂らす。 液体が垂れるたびに罰樹の体が電気が通ったように撥ね、垂れた所から煙を上げる。 「もっとも、行き過ぎると別の意味でしゃべらせることができなくなるから、加減は必要なのだけれど」 罰樹の表情は目隠し越しにもわかるほど苦痛に歪んでおり、目隠しの下から涙が溢れた。 「どう? そそる? なんだったらお姉ちゃんがヌいてあげよっか?」 「……いや、いいよ、遠慮する。 拷問も、僕様の目に届かないところでやって欲しいかな」 「あら意外」 そう言って、アカネはモニターを消した。 ……残念とか思ってないからね!! 「あとお姉ちゃんとか言うなっ」 「ごめんごめん。 気を悪くしたなら謝るから」 「ふーん、だ」 「やば、カワイ……」 鼻血を出している。 一体なにがしたいんだろう。
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