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「え……?」
てっきりキングダムだとばかり思っていたので、僕様は驚いた。
「そして、ある観点から見れば、ホワイトが世界を支配していると言ってもいいわ」
「……どういうこと?」
「ホワイトとは、一騎当千の優れた機魔を使う人間に与えられた、称号のようなものよ」
「……はぁ」
「そしてホワイトは、どこの国にも属することなく、自分の好きな時に自分の好きな国に味方をすることができるの。
その資金は、それぞれの国のトップの人達が支払っているわ」
「……どうしてそんなことになってるのさ?」
「世界のバランスを保つためよ。
あまりに卑怯な手を使う国や、もう先の危ない国を、ホワイトは独自の判断で攻撃する。
そうすることで、ある程度の秩序を保ち、無駄に戦争が長引くことを防いでいるの」
「それが、アカネ?」
「サンダーとファイヤーもよ。
あとは……3人ほどホワイトがいるんだけど、その3人は、3つの国がそれぞれ1人ずつ抱え込んでいる状態よ」
「そう……なんだ」
「私達3人は、なるべく犠牲者が少ない方に持っていくという考えのもとに集まっているの。
だから……サイトくんも力を貸してくれない?」
「……ちょっと待って」
僕様は考え込む。
犠牲者が少ないように……か。
偽善は嫌いだが、理屈は通っている。
そして、罰樹に容赦をしなかったことから、アカネは偽善者ではなく、リアリストであることが窺える。
だから、僕様は━━
「いいよ」
この新しい世界での生き方を、そう決めた。
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