戦乱の火種

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「苦しい……」 苦しさに目を覚ますと、銀色の髪を顔の前に垂らした不気味な少女に馬乗りにされていた。 「な……これが俗に言う金縛りというヤツか……!?」 目の前の少女の霊に、僕様はどうしたら…… 「……って、フリーザー?」 「……おはよ」 「なに、してるのさ……?」 「……起こしてる」 「……そう。 それじゃ、僕様はもう起きたから、どいてくれる?」 「……ん」 フリーザーは大人しく僕様の上から降りてくれた。 「……朝ごはん……できてる……から……」 そう言って、フリーザーは僕様の部屋から出て行った。 「ふう……」 寝起きは悪くない。 そして、なんだか寝る前より部屋が明るい気がする。 いや、間違いなく明るい。 これだけ地下なのだから、日光は届かないだろう。 だからこそ、光量で体内時計を調節しているのかもしれない。 そんなことを考えていると、フリーザーが戻ってきた。 「あれ? どうしたの?」 「リビング……場所……わかる……?」 「……多分」 「多分は……困る……案内……させて……」 「あ、うん。よろしく頼むよ。 着替えるから、ちょっと待ってて」 「……着替え」 「え?」 「手伝う」 「え? ちょ、待っ……きゃあーッ!!」 ……… …… … 「フリーザーって、意外と強いよね」 色々省略して、僕様はアカネ+アカネ四天王と食事をしていた。 「フリーザーは死ぬたびに少し強くなるからね。 多分普通の人間より腕力だけでも2倍ぐらいあるんじゃないかしら」 「まじで……」 僕様はフリーザーを見た。 小食なのか、器には他の人の3分の1ぐらいの量しか盛られていない。 「……どうかした……?」 僕様の目線に気付き、フリーザーはこちらに視線を向けた。 「あ、いや……」 「カイトは……見た目通り……弱い……」 「うるさいな」 「……でも、そこがいい……」 「なんでだよ」 『……いつでも襲えるから』 なんだか聞き取れない声量でとんでもないことを言われた気がする。 「ね、今なんて言ったの?」 「……フフフ……」 「ねえってば!」 「……フフフフフフ……」 「……」 フリーザーは、怖い。
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