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「……飯が不味くなる話はあんまりしたくねーんだけど」
突然、ファイヤーが言った。
「なに?」
アカネが聞き返す。
「アカネとフリーザーが気に入ってるその男、俺はまだ信用しちゃいねー」
「まあ……そうだろうね。僕様もそう思うよ」
「で、召喚した人間を抱えてて、ロクな目にあったヤツを俺は知らねー」
「……確かにご飯が美味しくなる話じゃないね」
「はッ」
この人もまあまあ怖いなあ。
「……私がサイトくんを使いこなせない、とでも言うの?」
「そういうわけじゃねーけどよ。
……なんつーか……俺も確認しておきたいんだよ、ソイツの中身」
「ちょっ……!!」
さっき散々フリーザーに中身を確認された僕様は、思わず両手で自分の体をガードした。
「そういう意味じゃねーよ!!」
ファイヤーが怒ったように言った。
先程僕様がフリーザーにされた所行を知らないファイヤーからしてみれば、僕様はふざけているようにしか見えないだろう。
怒らせてしまっただろうか。
「……ソウデスヨネー……」
僕様は小さくなった。
……どうしてこんなことに……。
「……というわけだ。1日コイツを借りていいか?」
「怯えるサイトくん萌え~……はッ!! なにかしら、ファイヤー!?」
「こいつら……!!」
「ちょ、僕様に怒りが飛び火しそうなんだけど!?」
「うるせー!!」
「ふにゃっ!!」
殴られた……。
結構痛い……。
「『ふにゃっ』だって……」
また鼻血出してる……。
「とにかく借りてくからな」
「ええっ!?」
「もう好きにしてください……リカバリー」
「ちょ、アカネ!?」
その時、肩にぽんと手を置かれた。
フリーザーだった。
「……なに?」
「あとで……慰めて……あげるから……がんばれ」
「……ひどいや!!」
「それじゃー飯食ったら外出の支度をしとけよ。
9時には出るからな」
そう言って、ファイヤーは丁度朝ごはんをたいらげた。
「ごっそさん」
そして、席を後にする。
「じゃーまた後でな。
さーて、キングダムの修練所に行くか……いやいやフリーダムのコロシアムも捨てがたい……まてよ、ここは敢えてデスティニーの……」
「……」
生きて帰れるかなあ。
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