戦乱の火種

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「そういえば、最初に出撃した時もそうだけど、テレポートができるのに、どうしてわざわざ機魔で飛んで行くの?」 ファイヤーの乗る機魔の後をイグドラシルで追いながら、コロシアムに向かっている最中、僕様はなんとなく疑問を口にした。 「アカネの魔法はあくまで召喚だからな。 そして、自分の近くにものを『喚び寄せる』のが召喚だ。 テレポートといっても、そこに自分を『呼び寄せる』という原理で発動しているから、そう長距離を移動することはできない。 ……少し難しいか?」 「……いや、大丈夫だよ」 「アカネはほいほい召喚魔法を使いまくってるが、あれはこの世界でもそうそうできるもんじゃねー。 普通の召喚魔法使いはテレポートなんてできねーし、召喚と言っても機魔レベルの質量を1日一回召喚できれば大したもんだ」 「……すごいんだね、アカネって」 「……ま、あれでもホワイトだしな」 ホワイト……一騎当千の機魔に乗る人……か。 「そういえば、ファイヤーもホワイトなんだよね?」 「まーな」 「そんなに強いの? その機魔」 「それなりにはな。 このスサノオより強い機魔なんて、それこそサンダーのスキジックぐらいしか無いだろーよ」 「あ、サンダーの方が強いんだ」見た目で言うと、オモチャみたいなサンダーの機魔より、目の前にいる武者のようなスサノオが強そうだけど……。 「いやでもアイツのスキジックは……いや、あんまり人の機魔の情報を晒すのも良くないか」 「アカネの情報は晒しまくってたけどね」 「そりゃ殆どバレてたからな。 中途半端に知っているのが一番危険だろ」 「……確かにそうかもね」 変に能力に期待して、「それ無理」となるのが一番駄目なパターンだろう。 「ところで、スサノオはどんなことをする機体なの……」 「お、コロシアムが見えてきたぞ」 「……」 はぐらかされた。
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