戦乱の火種

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「……ていうか、コロシアムなんてどこにも見えないんだけど」 「そりゃ明らかにコロシアムだと分かったらキングダムにバレるだろ」 「……ごもっとも」 結局、僕様達は山中のログハウスにたどり着いた。 「ちっさ!!」 僕様はとりあえずツッコミを入れた。 ログハウスにしては大きいが、それでも機魔2機で一杯になりそうな大きさだったからだ。 着いてすぐに、ログハウスの中から人が現れた。 「姐さん!! お待ちしておりやした!!」 「お、銀次じゃねーか。久しぶり」 銀次と呼ばれた男は、登山者が着るようなジャケットを着ており、ボサボサの髪の毛と無精髭を生やしている、いかにも「山男」な人物だ。 「そっちの機魔が、姐さんの言ってたヤツですかい?」 「ああ、そうだ。ホラ挨拶しろよ、カイト」 「あ、うん。よろしくね……」 「なんか随分と子どもっぽい声ですけど、大丈夫なんですかい?」 「強さに年齢はカンケーねーよ」 「僕様は17歳だ!!」 「……どっちにしろガキじゃないっすか」 「そーだね!!」 「まあまあ、強けりゃいいじゃねーか」 「……まあ、そうっすね」 銀次が玄関のボタンを押すと、ログハウスの壁が一面まるごとバカッと開いた。 中には巨大な箱と、一体の機魔がある。 「んじゃ、先に行っとくぜー」 そう言って、ファイヤーはスサノオごと箱の中に入った。 その箱は、エレベーターのように下に下がっていった。 「なるほど、コロシアムは地下にあるんだね」 「おうともよ。でもって俺はこの入り口のガードマンってわけだ。 俺、今回の決闘舞台が無事に終わったら、階級が上がるんだぜ」 「そうなんだ。よかったね」 「ありがとよ。 ところでお前さん、その機魔……随分とシンプルな割には見たことねえけど、どこのモンだ?」 「どこ……って?」 「フリーダムか、キングダムか、デスティニーかって聞いてんだよ」 「……さあ、どこだろうね」 僕様はわざと含みを持たせるように言った。 「……ま、話したくないならいいけどよ」 銀次は口の端を少しだけ吊り上げた。 「おっと、エレベーターが到着したようだな。 じゃあまた後でな。 生きてたら、だけどよ」 「……」 やっぱり相当危険らしい。
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