戦乱の火種

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魔力8210。 アカネの倍近くの魔力だ。 「今回俺はエントリーしてねーが……別に黙って見学するつもりもねえ!!」 ウオオオオオオオオオオオアアアアアアアアアアアアアアアア!! もう一つ落とした。 「エキシビションマッチだ!!」 まじで。 「その内容は……俺VS俺と闘いたいヤツ全員!!」 ウオオオオオオオオオオオアアアアアアアアアアアアアアアア!! 「この場で機魔に乗ってるヤツは全員俺と闘う権利がある!! 来いやおらァ!!」 何言ってんだこの人。 ウオオオオオオオオオオオアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!! 「ぶっ殺すうう!!」 「おんどりゃあああ!!」 「ああがああああ!!」 「行くぞコラあ!!」 なんか30機ぐらいが思い思いの雄叫びを上げてスサノオに突撃していく。 全員1000以上の魔力があり、2000以上もちらほら。 まがまがしいエモノを引っ提げて襲いかかる軍勢に対して、ファイヤーの選んだ武器は……。 「吼えろ……牙龍丸(がろうまる)!!」 刀。 柄や刃の意匠はアカネの持っていた日本刀に似ているが、日本刀にしては反りが無く、直刀にしては長すぎる。 正直言って扱いにくそうだ。 そして、魔力活性値が0だ。 魔力が通っていない武器で、一体何を……!? スサノオは、向かってくる軍勢に対して自分から突っ込んで行った。 そして、近い敵から順に斬りつけていく。 ウォンッ!! ウォンッ!! ウォンッ!! 「え……!?」 牙龍丸が振るわれるたびに、妙な音が響き渡り、魔力に守られているはずの機魔が両断されていく。 スサノオ本体もとんでもない動きであらゆる攻撃を避けている。 時折鎧に攻撃が当たるが、本体の魔力障壁の外側にあるらしく、鎧が傷付きはすれど魔力は減らない。 そして、あっという間に壊れた機魔が舞台に散乱することとなった。 『フフフ……驚いたか?』 密談回線でファイヤーが話しかけてきた。 「うん、まあ……」 『俺の刀……牙龍丸は魔力に影響されないアンチマニウムでできている。つまりは、そういうことだ』 「はあ……」 どうやらそういう便利物質があるらしい。 『ちなみに、この刀ぶんのアンチマニウムがあれば、10回は人生遊んで暮らせるぞ』 「……」 金持ちの考えることは解らんね。
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