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「行くぜッ!!」
ウェイざわは、機魔の両手の平をこちらに向けた。
僕様はその射線から逃れるようにステップする。
バシュウウウ!!
すると、手の平から花火のように激しく魔力が噴出し始めた。
花火と言っても、手に持ってやるアレだ。
更に、爪先からも同様に魔力が吹き出す。
魔力活性値は共に3000。
普通の機魔なら即死させうる威力だ。
自分の魔力限界を大きく越えた活性値の武器を使っているせいか、ウェイざわの魔力は少しずつ減衰し始めた。
僕様も抜刀する。
魔力活性値7000が心強い。
「……なんだ。牽制をかけてみたが、お互い近接武器しかないのかよ」
「自分から武装をバラすのはどうかと思うよ……まあ、僕様もこの剣しか持ってないけどね」
「そうかい。なら……俺の勝ち目は濃いぞ!!」
言いながら、ウェイざわは背中のジェットエンジンを吹かして物凄いスピードで飛んできた。
大上段から振り下ろされる魔力剣を、僕様も魔力剣で受ける。
3000×2よりも7000の方が強く、つばぜり合いでウェイざわの魔力剣を少しずつ溶かしていく。
だから僕様は「このまま行けば……」などという甘い考えを持ってしまい、その状態をキープしようとしてしまった。
結果、ウェイざわの機魔のサマーソルトを喰らって、後方に飛ばされることとなる。
勿論そのサマーソルトには、足に生えた魔力剣の威力が伴い、僕様の魔力が3000低下した。
後方に飛んでいく僕様を、更に追撃しにかかるウェイざわ。
あの異様に大きなジェットエンジンは、自分で蹴りとばした相手を追いかけられるほどの性能らしい。
このままインファイトに持って行かれると辛いので、僕様は剣を地面に叩き付け、その反動で大きく上に飛んだ。
僕様が零コンマ一秒前にいた空間を、魔力剣が薙いでいく。
ウェイざわの反応は早く、直ぐに空中の僕様を追って飛んできた。
このままだとジリ貧になってしまう。
そう思った僕様は、魔力剣を突く恰好に構えて、こちらからも突撃した。
「うおッ……!!」
ウェイざわは慌てて魔力剣を集めて僕様の攻撃をガードするが、同じぐらいの質量の機魔同士が上と下からぶつかり合ったのだ、さすがに物理法則に従って地面に叩き付けられた。
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