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「……今回の議題を説明するわ」
アカネがスイッチを切り替える。
「今回のコロシアム襲撃でフリーダムが受けた損害は、2500名の死者と2兆円の物的被害……正直、壊滅的な打撃と言えるわね」
「……」
まあ、そうだろう。
「一方、キングダムもヴァルハラナイツが壊滅して、戦力……特に守りが弱くなっているわ」
「……」
「フリーダムは存亡を賭けてキングダムを落としにかかるそうよ……総攻撃でね」
「……それって、かなり大変なことなんじゃ……」
「そうね。きっと歴史に残る大戦になるわ。だから私達はその被害を少しでも小さくしないといけない。
いくらヴァルハラナイツが壊滅したからって、フリーダムがキングダムを倒すことは不可能よ。だから私達は、被害を少しでも減らすためにフリーダムを討つ」
「はあ!?」
ファイヤーが大きな声を上げた。
「ふざけんなよ!!
明らかにキングダムが悪いじゃねーか!!
義はフリーダムにあるぜ!!」
「ファイヤー、これはもう義がどうとかそういうレベルの話じゃないのよ。
私達がなにをすれば、どれだけの人が傷付き、どれだけの人が助かるのか……解らないあなたじゃないはずよ」
「……くそッ!!」
ファイヤーは床に拳を打ち付けた。
「お前はどうなんだよ!! サンダー!!」
「俺は難しいことはよく解らないから2人に任せるぜ」
「えー」
こんなのがホワイトで大丈夫なのだろうか。
「……ああ、そうかい」
ファイヤーは諦め半分にそう言った。
「サイトはどう思う?」
急にアカネに振られて、僕様は少し驚いた。
「……いや、僕様はアカネに召喚された身だし、あれこれ口出しするのもアレかなーと」
「そんなことはないわよ。意見があるなら言えばいいわ」
「……そう? だったら僕様は……」
少しだけ考えて、僕様ある考えに至った。
「戦争が起こらないようにするかな」
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