Part1 ことの始まりは木曜

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とまぁそんなことがあった翌日― たまたま早めに家を出てきたから人もほとんどいない時間帯に学校に着いた。 桜が満開で天気もよくまさにお花見日和。あー…なんか幸せ…。いいことが起こりそうな気分。なんちて。 一人の世界を満喫していた私はふとグラウンドの向こうに見える旧校舎に目をやった。 はー…なんて良く燃えそうな建物…。夜見るとおどろおどろしいけど昼間なら怖くないよなー…よし、時間もあるしちょっと見に行こう。 …とは思ったけどやっぱり近くで見るとなんとなく陰気だ…。生徒が居ない校舎ってのはやっぱりどっか不気味だなぁ。 そんなことを思いながら旧校舎を見上げる。昇降口を覗き込んだとき、なにか黒い影が見えた。あれは… 「……カメラ…?」 それもTVカメラとかそーゆーの。けしてハンディカムではない。うーん…気になる。ちょっとだけなら…! 好奇心に負けて扉を開く。えらく雰囲気のある音が出た。中は暗いから少し怖いなぁ…ミチルの怪談を思い出す。 中にあったカメラらしきものに近づいてよく見る。 「やっぱりカメラだ…」 うーん、もしかして渋谷さん関係かな…。昨日もテープのダビングがなんちゃらって言ってたし。 そこまで考えて違和感を感じる。渋谷さんと会ったときにも感じたデジャヴ…。なんだろ…この状況どこかで見た…いや、読んだ…? 「―――誰だ!?」 思考に沈み込んでいた私はいきなりの怒声に大げさに反応してしまった。 「――っ!!あっ…」 バランスを崩して下駄箱にぶつかる。下駄箱が大きく揺れた…まずい! そう思ったときにはもう遅くて下駄箱は私の方に…カメラがあるこちら側に倒れてきた。 やば、絶対これ高い!!! あとから思うとそんなことよりも避けることを優先すべきだったのだと思う。 切羽詰ったときってどーでもいいこと考えちゃうよね…(どーでもよくはないが) バカーンガシャンパリーン。そんな感じの音だったと思う。実際はもっといろんな音がしたけれど。 ドミノのように他の下駄箱も倒れてカメラはもちろんカメラに気を取られた私もその下敷きになった。頭を打たなかったのが不幸中の幸いかな。 ばくばくとうるさい心臓に手をあてて深呼吸…はしない。ほこりだらけで絶対にむせる。 と、やばいカメラ!!とカメラに目を向ける。…完全に壊れてるよねコレ…。 冷や汗がたれる。さっき声をかけてきた人が持ち主かもしれない…ん?さっきの人は…
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