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その日以来僕は彼の家に住ませて貰っている。
幸い――と言っては失礼だろうが――彼は一人で、それなりの一軒家に住んでいた。
しかし僕は成長するにつれて、彼とは本当の家族ではない事を知った。
どの友達にも「全然違う」と言われ続けた。自分でもそう思っていたが、やはり傷付いた。
あぁ…やっぱりあの時の拾われた記憶は本当なんだ…ってね。
少し大きくなって、僕が
「何で僕を拾ってくれたの?」
と何度聞いても、彼は黙ってその大きな温かい手で僕の頭を撫で、その場をごまかした。
しかし僕はそんなやり取りも嫌いではなかった。
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